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japan-eat’s blog

食に関する事や飲食店の運営に関する内容を記載してます。

飲食店従業員のコミュニケーション能力を向上

 

 

飲食店経営者の人たちが「自分のところの従業員はコミュニケーション能力が低い」と言う場合、その中身をよく聞くと「報告、連絡、相談」のいわゆる「ほう・れん・そう」ができていないことや、店長の言うことをきちんと理解できない、あるいは集中して聞いていなくて指示通りのことができない、など要は「上の指示命令を仕事に反映できない」ことを指している場合が多くみられます。

しかし、飲食店における従業員のコミュニケーション能力とは、そのような限定したものではありません。店長の指示がすぐに実行される店舗になるということが、従業員のコミュニケーション能力向上の唯一の目的ではないのです。従業員のコミュニケーション能力を向上させるということは、もっと店全体のポテンシャルを上げ、その結果業績を上げることに直結する、非常に重要なテーマなのです。

ここでは、業績に影響を与える従業員のコミュニケーション能力とは何なのか、そしてコミュニケーション能力をどう向上させたら良いのかについて説明します。

 

飲食店の従業員にとって必要なコミュニケーション能力は3つ

飲食店の従業員のコミュニケーション能力は、店長からの「指示の受け皿能力」だけではありません。飲食店におけるコミュニケーション能力は、以下の3つの要素から成り立ちます。

1)お客様に対するコミュニケーション能力

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これはホール担当の従業員に限定した話ですが、お客様とのコミュニケーション能力があります。お客様が何を望んでいて、どうすれば喜んでくれるのか、あるいは何に不満を持っているのか、ということについてしっかりと受けとめられる能力はまさにコミュニケーション能力です。そして、対応のために行動ではなく口頭での説明が必要な場合は分かりやすく説明し、お客様に心から納得していただけるようにすることもコミュニケーション能力です。

このコミュニケーション能力が向上すると、店の顧客満足度は大きく上がります。そしてさらに、従業員が「個人のキャラクターを出したコミュニケーション」という高度な能力までも使えるようになれば、その従業員にお客様がつき、その従業員目当ての常連様になってくれる場合もあります。それらによって、リピート率は上がり、間違いなく店の業績はアップします。

2)先輩、同僚、仲間とのコミュニケーション能力

各数人のホールとキッチンで運営しているような店であれば、従業員同士のコミュニケーション能力も非常に重要です。相手が何を言いたいのか、何を感じているのかということをしっかり受信することもコミュニケーション能力です。それに対して自分の気持ちや考えを、相手と対立しないように友好関係を築きつつ伝えるというのもまた、コミュニケーション能力となります。

このコミュニケーション能力が向上すると、店のチームワークは格段に良くなります。ホールの従業員同士でも、キッチンの従業員同士でも、どこかが回っていなければすぐに誰かがフォローに入れるようになります。また、ホールとキッチンとのコミュニケーションもよくなると、急な依頼への対応なども非常にスムーズになります。さらには、従業員同士でお互いに改善点を指摘や提案しあうようになり、店長が口を出さなくても、店のオペレーションレベルがどんどん上がっていきます。

3)店長とのコミュニケーション能力

そして最後が店長とのコミュニケーション能力です。このコミュニケーションにおいては、「ほう・れん・そう」も基本的なルールとしては重要ですが、そこまでの話ではありません。店長という目上の人間に対して、しっかり自分の意見を言えるようになる、ということがコミュニケーション能力の向上なのです。この能力が上がってくると、主に二つの効果が得られます。1つは従業員から現場発想の改善提案がどんどん上がってくるようになることです。2つには従業員の課題や問題点、トラブル情報がすぐに上がってきて、物事が大きくならないうちに対処できるようになることです。これも店のポテンシャルを上げる要素になります。

以上のように、従業員のコミュニケーション能力とは実は非常に幅広いもので、そして店の活性化、ポテンシャルの向上、業績の向上に大きく影響するものなのです。

 

コミュニケーション能力を向上させる方法

ではそのような従業員のコミュニケーション能力を向上させるにはどのような方法があるのでしょうか。以下に3つの切り口でご紹介します。

1)従業員自身の基礎的なコミュニケーション能力向上

最近の若い従業員はコミュニケーション能力が低い、というのは確かに傾向としてはあります。しかしそれは、「話す能力」以前に「聞く能力」の欠如からきています。人の話をしっかりと聞き、その内容と意図、本質をしっかりとらえる能力が低いのです。それを身につけるためには、以下のようなことを行いましょう。

まずは「聞く能力」をつけるには、店長の話しかける言葉から変える必要があります。業界用語や難しい言葉を使うことは避け、分かりやすいたとえ話を入れながら話しましょう。そのためには彼らが興味を持つたとえ話ができるように若い世代での流行情報を知っておくことも必要です。そして話の途中途中で、内容を復唱させ理解レベルを確認しましょう。さらには、話をするときにはメモをとる習慣をつけさせるとよいでしょう。最初はどこをメモするか分からないこともありますから、メモするポイントもあわせて伝えると「聞く能力」をあげることができます。

次は「話す能力」の訓練です。「話し上手」にする必要はありません。相手に理解してもらうまで話し続ける習慣を身につけてもらいましょう。そのためにはまず自信づけが必要です。経営者、店長の皆さんは従業員が話をしに来た時に、パソコンを見ながら聞いたり、話をすぐに遮ったりしていませんか。そのような聞く姿勢では、従業員は話す自信をつけることができず、いつまでたっても話す能力をあげることができません。従業員が話すときには、必ずそちらを向いて座り、内職をせず、時々きちんとうなずきながら聞き、相手に自信を持ってもらいましょう。もちろん、一方的な指導、叱責はNGです。コミュニケーション能力はまず自分が聞くことから始まり、次に相手に聞いてもらえることによってはじめて身につくのです。

2)仲間同士のコミュニケーション能力向上

従業員同士のコミュニケーション能力の向上も重要です。これにはもちろん「聞く能力」「話す能力」が基本になりますが、同時にコミュニケーションをお互いにとりやすくする機会と仕組みを設けることが重要です。たとえば、一時期「ほめシート」というものが話題になりましたが、あのようなお互いに、相手を肯定したり、褒めたり、感謝したりする仕組みを作ると、店舗内のコミュニケーションの総量は一気に増えます。人間は褒められれば、今度は自分が褒めるようになり、それによってお互いのコミュニケーションの「回線」がつながり、コミュニケーションが活発化していくのです。活発化すると、従業員同士のアドバイスがしきりと行われるようになり、店をよくするための改善提案もどんどん出てくるようになります。ほめシートでなくても「サンキューカード」やその他のお店のオリジナルツールでかまいませんが、活用方法が重要です。まず、店舗のミーティングや朝礼で従業員本人に読みあげてもらい、他の全員は拍手をします。発表したものは店舗内に貼り出したり、毎週従業員別に褒めてもらった数のランキングを貼り出したりして意識付けしていくのです。

3)お客様に対するコミュニケーション能力向上

お客様へのコミュニケーション能力の向上は、ホールの従業員に料理への自信を持たせることが重要です。お客様と従業員の会話を阻害するのは、従業員の自信のなさです。「この料理について質問されたらどうしよう」と言う気持ちがあると、積極的にお客様とコミュニケーションがとれません。ホールの従業員には「料理の素材、調理法、味について」の情報をキッチンスタッフと同様に与え、試食会を開いたり、時間があるときに新メニューを食べてもらうなどの取り組みが必要です。

また、お客様とのコミュニケーションの会話のきっかけ作りもよいでしょう。たとえば、胸につけているネームプレートを1回り大きなものにして、そこに「自分の趣味」「出身地」「好きな野球チーム」などを書かせると、それを見たお客様から話しかけてくれる確率が上がり、会話のきっかけになります。あるいは、店でお客様のアンケートをとっている場合は、その紙をテーブルに置いて勝手に書いてもらうのではなく、従業員がテーブルまで持参して、アンケートの主旨の説明とともに記入をお願いするといった方法もあります。

従業員のコミュニケーション能力が向上した店で起こること

従業員のコミュニケーション能力が向上すると、下記のようなさまざまないい影響と効果が店に生まれてきます。

  • 離職率がダウンして、レーバーコスト(人件費)が下がる
  • 従業員同士の相互アドバイスで各自がスキルアップする
  • 店のチームワークが上がって、少人数で回るようになる
  • 店への改善提案が上がってきて、トラブルが未然に防げたり、思いがけない良い企画が実現する
  • 自店舗意識が上がり、シフト貢献も含め、経営、運営に協力的になる
  • お客様のロイヤリティが上がって、リピート率が上がる
  • レーバーコスト(人件費)も下がって、売上も上がり、利益が出るようになる

まとめ

いかがでしょうか。コミュニケーション能力が向上すると、たくさんのメリットをもたらし、必ず業績が上がります。

ぜひ、上のことをしっかり理解して、3つのコミュニケーション能力が向上するように、進めていってください。

 

 

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